どうも、こんにちは。のぶです。
この記事はもともと、武田薬品工業のMSLが「聞き取る力」を重視しているというニュースを取り上げて書いたものでした。2026年版では、そのニュースが投げかけていた本質的な問い、つまり「MSLに一番いる力は何か」を、質問力という切り口で改めて整理し直します。
MSLの核心は「聞き取る力」
製薬会社の規模を問わず、メディカル部門が公にしているMSL像はだいたい同じところに落ち着きます。エビデンスを創出し、社内にフィードバックする。医師からインサイトを収集し、社内の意思決定に反映させる。表現は会社ごとに違っても、中身はほぼ共通しています。
その中でも私が一貫して重要だと思っているのが「聴取する力」、つまり質問力です。MSLの価値は、医師も自分では気づいていない潜在的な問題意識(インサイト)を引き出せるかどうかで決まります。これは知識だけでも、コミュニケーション力だけでも足りません。
なぜ質問力が難しいのか
質問力というと簡単に聞こえますが、実際にやってみると相当難しい。理由は2つあります。
1つ目は、鋭すぎる質問は逆効果だということ。顕在化していない情報を引き出すインタビューでは、切れ味の鋭い質問はむしろ相手を身構えさせます。いかに気持ちよく話してもらうかの方が重要です。MSLがやりがちな失敗は、自分の聞きたいことを聞くために誘導質問をしてしまうこと。これをやると、先生は本音ではなく「聞かれた通りの答え」を返してくるだけになります。
2つ目は、聴取するには自分にも知識が必要だということ。疾患や製品について専門的な理解がなければ、先生の発言のどこが重要な示唆なのか判断できません。相手の話を右から左に流すだけの「聞き役」ではインサイトは取れないのです。
質問力を鍛える具体的な方法
- オープンクエスチョンから入る。「Aについてどう思われますか」ではなく「この領域で先生が今一番課題だと感じていることは何ですか」から始める
- 質問の順番を設計する。いきなり核心を聞かず、周辺の話題から入って徐々に核心に近づける。面談前に「聞きたいことリスト」を優先順位付きで作っておく
- 沈黙を怖がらない。先生が考えている間に次の質問を重ねると、思考が中断されて浅い答えしか返ってきません
- 面談後に「何が聞けなかったか」を振り返る。聞けたことより、聞き逃したことの方が次への学びになります
企業研究としての視点
武田薬品のように国内最大手でグローバル展開している会社は、メディカル部門の体制が整理されている分、MSLに求める役割定義もはっきりしている傾向があります。企業研究では「その会社がMSLの何を評価軸にしているか」を面接で確認するのが有効です。訪問回数のような量の指標なのか、質問力やインサイトの質のような内容の指標なのか。この違いはMSLの働き方まとめでも触れた「量で評価する会社」の見分け方に直結します。
まとめ
MSLに一番いる力を1つ挙げるなら、私は今でも質問力だと思っています。知識と傾聴、その両方があって初めて医師の本音に近づけます。転職面接でも「どうやってインサイトを引き出しますか」は定番の質問なので、自分なりの型を持っておくと強いです。面接対策はMRからMSLへの転職 完全ガイドにまとめています。
(最終更新:2026年9月/初版:2019年3月)
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