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業界・企業研究

【企業研究】期待の創薬ベンチャー!タカラバイオに迫る!

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どうも、こんにちは。のぶです。

さて、今回は日本の国内バイオベンチャーに迫ります。

タカラバイオです。

ご存じの方も多いと思いますが、研究用試薬、理化学機器、創薬を行っている

企業ですね。

特に創薬部門に着目したいのですが、現在開発されている製品は、すべて

大塚製薬に導出して、臨床開発がされていますね。

では早速ですが、製品的なところ、プロジェクトマネジメント、

臨床試験デザインの観点からタカラバイオさんをみてみたいと思います。

以下は、完全な個人の見解です。企業との関係、資金提供などはありません。

また、投資などの参考情報として活用する場合、投資は個人の判断となるため、

当方は責任を負いかねますので、ご了承ください。

タカラバイオの製品力はどんなものか?

参照:

タカラバイオ株式会社 決算説明会資料 2021年3月期第2四半期決算説明会
第2四半期決算説明会

完全にのぶの私見ですが、製品力について述べたいと思います。

まず、ターゲットにしている疾患領域です。

滑膜肉腫、膵臓癌、ALLですね。

滑膜肉腫については希少疾患再生医療等製品指定されており、かつ承認申請の

準備段階なので、これは有望と思います。

そして次に膵臓癌です。膵臓癌は、開発品がかなり多く失敗している領域で、

開発の成功確率が消化器癌の中でも低いはずです。治療薬の選択肢が少ない癌と

言われているようです。開発がうまくいかないのは、治療薬の運搬が

うまく標的のがん細胞に到達しないなどの理由があるようです。

アンメットニーズの高い領域かと思いますが、開発品の成功確率は高くないと思います。

現在はフェーズ1が成功している段階、つまり用量が決まり、

ある一定の有効性、安全性が確認できたという段階のようです。

次のフェーズ2にいく段階かと思いますので、開発の成功にはまだ道のりがあります。

最後に、ALLです。

こちらも化学療法がベースの治療のようで、まだまだアンメットニーズの高い

領域かと思います。

ただし、開発しているこちらの製品ですが、CAR-T細胞療法のようですね。

ALLはすでに他社(ノバルティス)のCAR‐T細胞が承認されていますので、

競合製品になってしまいますね。CAR-T細胞は製造コストと時間が節約できれば、

競合優位になるかと思いますが、この製品はどうなのでしょうか。

ただし、赤字の2製品(TBI-2001、TBI-2002)はCAR-Tでも従来のCAR-Tを

より改良した製品のように見受けられます。

あくまでもVitroのデータですので、まだまだ未熟なデータではありますが、

TBI-2001は従来のCARよりも生存期間の延長と、強い抗腫瘍作用が得られた

と報告されています。

一方でTBI-2002も、顕著な抗腫瘍効果が得られたと報告されています。

参照 :
タカラバイオ株式会社 決算説明会資料 2021年3月期第2四半期決算説明会
第2四半期決算説明会

参照 :
タカラバイオ株式会社 決算説明会資料 2021年3月期第2四半期決算説明会
第2四半期決算説明会

ですので、今後の臨床試験での効果に期待がされます。ただし、競合の多い領域

ですので競合優位性のある製品でないと厳しいと思います。

抗腫瘍効果、生存期間の延長だけでなく、投与までの時間、コスト、安全性が

担保されたCAR-T細胞が出てくると厳しいと思います。

競合としては、健康成人から調整したAllogenic CAR-T、

NK細胞を使用したものなど、様々な製品が開発されているようです。

ですので、これらの製品と比較した場合に、競合優位性が保てなかったら、

一気に市場が食われてしまう可能性がありますので、要注意です。

ちなみに、CAR-T細胞療法のマーケットは、以下のようになっています。

この10年で、かなりの市場拡大が見込まれますね。

引用:

CAR-T細胞療法市場は、2020年から2030年の間にCAGR 44.79%で成長すると予測されています。高齢者人口の増加、リンパ腫や白血病の症例数の増加、化学療法や放射線治療などの代替療法に反応しない再発・難治性の癌症例の増加、新規免疫治療の研究開発への注力、CAR-T細胞療法の強力な製品パイプラインなどにより、市場の成長は加速しています。
 
市場は、びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、多発性骨髄腫(MM)、慢性リンパ性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、およびその他の癌や適応症などの臨床領域におけるCAR-T細胞療法の開発によって支えられています。高齢者人口の増加と、リンパ腫や白血病の症例数の増加は、市場の需要の大幅な増加につながると予想されています。

引用元:
株式会社グローバルインフォメーション 市場調査レポート:CART細胞治療薬の世界市場 (2020-2030年) の公開情報参照
https://www.value-press.com/pressrelease/260186

製品プロジェクトマネジメント!薬剤は大塚製薬さんに導出済!

タカラバイオは、製品を大塚製薬に導出していますね。

自社で創薬したものを、外部の企業と提携して開発を行う効率的なパターンですね。

今後もベンチャーはこの形式が安定的に行われるのではないかと思います。

ぶっちゃっけ創薬ベンチャーはタネを見つけて、臨床の後期からは他社が行い、

ローンチ後も提携して販売してもらうのが人件費なども含めて色々とメリットが

あるものと想定しています。

今回、大塚製薬を選んだ理由は詳しくは分かりませんが、国内での治験など

見識も深く経験豊富な会社に依頼したのでしょう。

大塚製薬さんは精神系の疾患に強いイメージですが、がんにも取り組んでおり、

素晴らしいパートナーと推察しています。

プロジェクトマネジメントの面では特に不安材料はないように思います。

あとは臨床開発がうまくいくことを祈るばかりです。

臨床試験のデザインは?まだまだアーリーフェーズで評価難!

すい臓がんの薬剤、C-REVは既存の標準治療薬との併用でのデータをとっている

ようでした。ですので、まだ第3相試験までにはいっておりませんので、

試験デザインに言及するのは難しそうです。

ALL対象のCAR-T療法も単群の試験で何かと比較するわけではなさそうです。

つまり、製品のポテンシャルを試すような試験になっており、

相対的な評価ではなく、単純に製品が予め設定された期待される効果に対して

その期待値を上回ることが期待できるのか、安全性が担保されるのかどうか

を検討する試験と思います。

これらの薬剤が標準治療薬との比較がされずに、承認にこぎつけられれば、

それはラッキーですね。

C-REVは、国内での承認申請取り下げがされていますね。

また、悪性黒色腫では治療体系がもうけっこう確立されているんですね。

臨床試験に関しては、現段階で詳しく言及するのは難しく、

これからの動向が気になるところです。

最後に

今回はタカラバイオさんについて、個人的見解を述べてみました。

やはり製品がローンチしてはじめて製薬会社としての価値が高まりますので、

今後の薬剤開発の成功に期待をしています。

ターゲットの疾患としては、個人的には良いところをターゲットにしているよう

に思います。

アンメットニーズが高く、まさに患者さんへの貢献度が高い領域をターゲットに

している点が評価できると思います。

特に膵臓癌に関しては、薬剤の開発が失敗の連続で薬剤開発の難しいがんと

言われているようですが、逆に言うと、成功すれば競合が少なくて、

ブルーオーシャンな市場かと思います。

また、血液がんは今後もマーケットの拡大が期待できると思うので、良いと

思います。特に、従来の化学療法からあまり進展のない領域については、期待が

高いのではないかと思います。

もちろんこれまで開発が成功してこなかったのは、

それだけ薬剤の開発が難しい領域ということでもあるので、

必ず成功するわけではないという点には注意が必要です。

ではでは、この辺で。

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