どうも、こんにちは。のぶです。
実は、けっこう前からガーダントヘルス社のMSL募集が始まっています。
応募多数で人気案件のようです。
近々クローズされそうですので、応募されたい方はどうぞ!
ちなみに、リクルートグループからの紹介を受けました。
ガーダントヘルス社について、記事にしたいと思います。
けっこうすごい会社です。
がん遺伝子検査について、簡易な検査を提供する会社です。
がん遺伝子検査を利用した医療というのは、
患者さん個々のがんの原因となっている遺伝子変異を特定して、
遺伝子の変異に合わせて薬剤や治療方法を選択することができる、新しい治療です。
ガーダントは、遺伝子検査と新たな検体採取法を提供する会社となります。
遺伝子検査をするために、がんの組織を患者さんから取ってくるわけですが、
がんの組織の採取の仕方が新しい!ということになります。
こういった会社が出てくるのを見ると、ベンチャー時代に本格的に突入したのを感じます。
ガーダントヘルス社とは?
概要としては、
世界で初めて総合リキッドバイオプシー(液体生検)を発売した会社です。
アメリカのカリフォルニア州レッドウッドシティというところに拠点をおくスタートアップ企業。
カリフォルニア州サンフランシスコ、サンノゼが近いので、まさにスタートアップ企業が集う地域にあるんでしょうかね。
CEOは、ヘルミー・エルトーキー氏。
日本所在地は、東京都港区東新橋1丁目9番2号汐留住友ビルみたいです。
以下、Guardant Healthのホームページを参照してみてください。
https://guardanthealth.com/
,
リキッドバイオプシーという血液検査を提供している会社です。
リキッドバイオプシーについて説明を加えます。
通常、腫瘍の部位に対して針などを刺して、腫瘍組織の一部を取ってきて、
腫瘍がどういうものなのかについて検査をするわけですが、これを生検と呼びます。
ガーダントヘルス社が提供するのは”液体”での生検です。
どういうことかというと、血液をとってきて、その取った血液を使って検査をします。
血液を液体と読み替えてますね。これを液体生検を呼びます。
非常に簡易ですよね。侵襲性が低い(患者の体をほとんど傷つけなくて済む)のがメリットです。
何でも、5年以内にがん患者100万人以上のがん遺伝子を解析する計画を発表して注目されています。
日本では、がん遺伝子診断は自由診療扱いなので、
1回あたり数十万円~百万円程度の自己負担がかかるのが現状ですが、
ガーダントヘルス社の技術を使用すれば、より簡易に、そして低い費用で、
がん遺伝子検査が提供されることになります。
ガーダント社の技術には孫正義氏、国も注目している!
ガーダント社の提供する血液検査には、
あのソフトバンクの孫正義氏や国も注目しています!
ソフトバンクはじめ投資家から、約410億円を調達できている会社です。
投資家から巨額の資金を獲得できている企業が他にも多くあります。
2017年3月に、医療機器メーカーIllumina社からスピンアウトしたGrail社が、
アマゾンや製薬会社から約1020億円を調達したようです。
同じくスタートアップ企業であるFreenomeも、約74億円を調達したようです。
2017年12月よりがん遺伝子検査プロジェクト「SCRUM-Japan」という組織と、
ガーダントとの共同で血液検査の精度が検証され始めています。
結果次第で保険適用となる見込みのようです。
「SCRUM-Japan」というプロジェクトが、何なのかについて
SCRUM-Japanは、国立がん研究センターと複数の製薬企業、
全国の医療機関が参加している組織です。
肺と消化器の2つのグループから成り立っています。
患者から取ってきた、がん細胞を遺伝子パネル検査で解析して、
解析した結果を利用して、進行している企業や医師が主導する治験に対して、
登録を推進するシステムです。
ガーダント社が提供するGuardant 360とは?
ガーダント社は、「Guardant360」とネーミングした、
リキッドバイオプシー(血液による検査)の開発を進めています。
Guardant 360は、全米の総合がん情報ネットワークであるNCCNが、
プロファイリングし推奨した遺伝子の全てを網羅する遺伝子解析です。
さらに、その遺伝子の中には70種類の実臨床に関わるがん関連遺伝子も含まれ、
それらも解析できるようです。
Guardant 360は、患者から血液サンプルを取り、血液中にある遺伝子情報を解析します。
解析により、がん治療における治療ターゲット遺伝子の同定することができ、
効果的な治療の選択に役立つものです。
血液検査では「血液循環腫瘍DNA」を測定します。
血液循環腫瘍DNAですが、
がん患者の血液内には、がん細胞が循環しているのですが、
がん細胞のうち、”死滅した”がん細胞がDNAを放出します。
このDNAを測定して、遺伝子解析を行っています。
では、リキッドバイオプシーのメリットを考えてみたいと思います。
,
メリット
①全身のがん細胞の状態を反映したデータが、リキッドバイオプシーでは得られます。
どういうことかを説明します。
がん細胞は、がん種によるとは思いますが、ヘテロだとよく言われることが多いです。
つまり、腫瘍ができた部位、転移した部位で、腫瘍の性質が異なることが言われています。
ヘテロなので、これまで生検により腫瘍を採取してきた部位の組織におけるがん細胞は正確にわかりますが、
転移した部位まで生検ができないことが多いのです。
そうなった場合、転移部位のがん細胞の状況はわからないわけです。
しかし、リキッドバイオプシーでは体内全体を循環しているがん細胞について知ることができる。
つまり、全身のがん細胞の状態を反映したデータが、リキッドバイオプシーでは得られます。
②繰り返し検査できるので、治療前、治療中、治療後などで、複数回に渡り、遺伝子の変化を、時間経過とともに追跡できる。
つまり、遺伝子の状況が変われば、治療内容も変わることが考えられるため、
効果的な治療がタイミングよく受けられるということになります。
③リンパ腫(血液がん)においてはCTスキャンなどの画像診断よりも高感度でがんを検出できたとのことです。
どういうことか。
リンパ腫の一部の患者では、リキッドバイオプシーを利用して複数回の検査を行うことで、
時間経過とともに遺伝子情報の変化がわかるわけです。
過去の研究結果からは、遺伝情報の変化から、
がんの再発時期を突き止めることができたとの報告があります。
臨床的には、CTスキャンで検出できた数カ月前に再発の時期を特定できたようです。
,
デメリット
①「偽陽性」の問題があります。
偽陽性とは、どういうことかと言うと、実際はがんが発生していないが、がんのDNAが検出されてしまうことです。
つまり、誤ってがんだと診断されてしまう可能性があります。
②リキッドバイオプシーにより見つかる腫瘍のうち、早期の腫瘍はほとんど増殖しない、または増殖速度が遅いと言われています。
つまり、腫瘍として問題にならない程度のものまで、高感度に検出できてしまいます。
腫瘍(がん)は、健康な人でも体内では作られます。
ただ、健康な人は、免疫機能が働いているので、がん細胞は消されます。
なので、がん細胞が増えることはありません。
がん患者さんというのは、がん細胞を消す力が無くなってしまった方など、
免疫機能がうまく働かなくなった方を言います。
がん患者じゃないのに、がん患者と言われて治療されたら、過剰治療になります。
なので、リキッドバイオプシーを使って診断する、がん早期発見における懸念事項ですね。
活況!がん遺伝子検査の市場・競合環境のまとめ!
がん遺伝子検査の市場には、すでに複数の企業が参入しています。
ガーダントが提供しているのは、リキッドバイオプシーという”方法”を用いて、
遺伝子検査を提供しています。
以下の検査は、遺伝子検査のみの提供です。
現在、自費診療(保険適応外)ですが、以下の遺伝子検査が提供されています。
マンマプリント
マンマなので、乳がんですね。
マンマプリントでは、70種類の遺伝子のパターンを調べることができます。
乳がんの術後5年以内における遠隔転移のリスクを予測することができるようです。
オンコタイプDX
オンコタイプDXも、乳がんを対象に遺伝子検査を提供しています。
乳がんの再発に関する21種類の遺伝子を検査し、将来的な再発の可能性と、
化学療法がどのくらい効果があるのかを調べる検査になります。
,
以下の2つは昨年末に2018年12月に製造販売承認済です。
2019年春ころの発売を見込んでいます。
NCCオンコパネルと、ファウンデーションメディスンは、
いずれも保険診療で受けられるのが良いですね!
NCCオンコパネル
NCCオンコパネルは、国立がん研究センターとシスメックス社が開発したものです。
「OncoGuideTM NCCオンコパネルシステム」は、
日本人のがんで多く変異が見られる遺伝子114個について、調べられます。
調べる方法としては、次世代シークエンサーという解析装置を使って、
1回の検査で調べることができます。
次世代シークエンサーとは、専門的に言うと、
DNAの塩基配列を、大量に読み取る解析装置のことを指します。
ファウンデーションワンCDx
ファウンデーションメディスンワン(以下、FMI)は、中外製薬が提供する遺伝子検査になります。
NCCと同じで、次世代シーケンサーを使ってがん遺伝子を網羅的に調べるシステムです。
患者さんのがん組織から得られたDNAを使って、324の遺伝子における異常を検出します。
FoundationOne CDxは、国内既承認分子標的治療薬のコンパニオン診断として、
適応判定補助の使用目的を予定してるみたいです。
もう少しこのFMIについて、調べてみると、
FMIは2010年に米国・マサチューセッツ州ケンブリッジに設立された会社です。
2015年に、ロシュとFMIはがん領域に関して提携しています。
他にも色々と遺伝子検査関連製品として取り扱っており、
①固形がんを対象としたFoundationOne®、
②血液がん・肉腫を対象としたFoundationOne®Heme、
③固形がんを対象としたリキッドバイオプシー検査のFoundationACT®、
④固形がんの網羅的遺伝子解析プロファイリングのFoundationOne CDx™
最後の④が、今回承認を得たものです。
また、③が今後承認されてくれば、ガーダントとの競合になりそうです。
ついに個別化医療の時代へ!
ついに、到来しました。
個別化医療の時代、自分にあった治療がうけられる、効果的な薬を無駄なく使えるなど、
いろいろメリットはありそうです。
ただ、遺伝子パネル検査で、遺伝子変異が見つかっても、
治療する薬剤がないと、治療できないのがデメリットです。
なので、製薬会社は治療薬の開発に、遺伝子検査の結果を利用しながら、
新たな治療薬の開発に結びつけることになりそうです。
ちなみに、がん遺伝子・ゲノムについて知るには、以下の本がおすすめです。
【送料無料】 動き始めたがんゲノム医療 実験医学増刊 / 中釜斉 【本】
ではでは、この辺で。