どうも、こんにちは。のぶです。
今回は、MSDの求人と過去にエージェントから聞いた情報をもとに、MAとMSL職について書きたいと思います。
MAとは、メディカルアフェアーズという職種になります。
MSLは、メディカルサイエンスリエゾンという職種になります。
他の会社紹介と違い、MSDを例にMAとMSLの違いを明確にしたいと思います。
では早速、MSDにおけるMAとMSLの仕事について書いてみたいと思います。
MAとMSLは何が違うのか?
簡単に言うと、内勤職でメディカルプランなどの戦略を考える職種がメディカル・アフェアーズ(MA)です。
メディカル・アフェアーズの仕事をしていても、外部顧客との面談もしますし、アドバイザリーボードなどを企画・実行しますので、
完全な内勤とは言えないかもしれません。けっこう面白い仕事です。
一方で、MSLは外勤がメインで、外部顧客との面談等を通じて情報提供・収集を行う職種です。
こちらは7割外勤、3割内勤というイメージです。
MSLは、日当がでる会社だとMAよりは稼げると思います。
MSLは、MAと同じ内勤職として扱われている会社も多いと思いますので、基本的にはMSLとMAでは同じような勤務・給与体系かと思います。
働き方がどちらが好きかによって、決めると良いと思いますが、
メディカル・アフェアーズ(MA)の仕事は、MSLを経験したことがある人がなった方がより良い戦略を立案できると思いますので、
入り口としてはMSLが良いのではないかと個人的には思います。
私は、MSLもMAも経験しておりますが、どちらが好きかというと、MAの仕事の方が考えることが多いので好きです。
ただ、大手だといろいろな部署の人と調整しなければならない仕事が多いので、正直面倒です。
あと外勤している方が、気分もリフレッシュできますし、医師と話していた方が勉強になることも多いので自分の成長が早いのもたしかだと思います。
では、具体的にMSDにおけるそれぞれの仕事内容を見てみましょう。
求人票を参照しながら解説をしたいと思います。
まずは、メディカル・アフェアーズの仕事です。
メディカル・アフェアーズ(メディカル戦略立案等の部隊)の仕事とは?
メディカル・アフェアーズは、メディカルアフェアーズ部門に所属する職種です。
MSDのMAは、以下のような仕事をしています。
①新規適応症の追加に伴い、承認前・後で必要となる、メディカルアフェアーズ活動計画(Country Medical Affairs Plan:CMAP)を、メディカルアドバイザーとともに策定する
メディカルアドバイザーとは、メディカルアフェアーズの戦略立案やデータ創出を主導する方を指します。
そして、CMAPとは、メディカルプランとも呼ばれます。日本でのメディカルプランを指します。各国で同じように作成することになります。
メディカルプランとは、メディカルで作成する戦略で、活動計画をさします。
例えば、今どういうデータがあって、どういうところにアンメットメディカルニーズがあるのかを考えながら作成します。
アンメットニーズは実際には医師とのディスカッションなどから得られた情報をもとにします。
今あるデータで不足しているデータを今後創出していこう、こういう疾患情報が不足しているから発信していこう、などのメディカル活動計画を作成する仕事になります。
また、メディカルプランは国によって異なります。つまり各国のメディカルプランがあります。
グローバルはグローバル各国で作成し、日本は日本独自のものを作成します。
なぜなら医療情勢が各国異なるので、各国で作らないと意味がありませんので。
②活動計画に関連する内容について、ステークホルダーであるOBU(Oncology Business Unit)やR&D関係者と事前に協議を行い、円滑に計画が実行できるように、必要なコミュニケーションを行なう
この業務は、営業や研究開発部門との協業のことを指していますかね。
情報の授受を部門間でお互い行うことで、適切な活動ができるようにします。
③適応症におけるチームの一員として、メディカルアドバイザーやMSLのリーダとともにチームをリードしていき、活動計画をMSL・MIなどとともに実行して、成果を出していく
おそらくCMAPの作成をMSLやMI(メディカルインフォメーション)の方とともに作成するのでしょう。
また、この文からMSDのMA・MSLチームなどは適応症ごとにチームが編成されているのでしょうかね。
つまり、オンコロジーならがん種ごとにチームが編成されている可能性があります。
そして、MA・MSLの人数から考えて、一人で複数領域を担当していることも考えられます。
以下の④の文で、それが裏付けられています。
④担当は1領域だけに固定されず、製品全般において、製品価値向上のために、必須な活動を考え、関係者と必要なコミュニケーションを行うことも想定される
1領域に限らないということはMSDの社員から聞いたことがあります。
癌腫によって担当領域を分けておらず、製品によって担当を分けているようです。
⑤国際・国内学会に参加して、最新の医学情報を理解するとともに、Scientific Leaders(SLs)とコミュニケーションを取って、円滑な活動が行われるようにする
MSDではKOLのことをサイエンティッフィックリーダーと呼ぶようです。
要はKOLとディスカッションして、必要な情報収集やマネジメントをするということでしょう。
学会参加は、各社同じですね。
MSLの仕事はどんなことをやっているのか?
MSDでは、MSLは営業・マーケティング部門からも独立した部門、メディカルアフェアーズ部門に所属している専門職です。
MSDでは、以下のような仕事をMSLは行っています。
①MSLは、担当領域のKOLとの情報交換を通じて、最適な治療を普及させる役割を担う。具体的には以下。
・SL/MLへ最新情報の提供およびディスカッションを行い、意見や考え方の情報収集を行う。
・学会等への参加を通じ、最新の情報収集と分析を行う。
②科学的戦略の基、製品や医学専門的知識を用いてサイエンティフィック・リーダー/メディカル・リーダー(SL/ML, 通称KOL)のサイエンスパートナーとして信頼関係を構築する。
③メディカルアフェアーズ、研究開発部門の関係者とデータジェネレーションに関する企画実行。 SL/MLを中心とした研究者主導型研究(Investigator Initiated Study)に関する相談に対し科学的アドバイスを行う。
④活動から得られた情報を社内ステークホルダーに共有し、製品価値を最大化する。具体的には、以下。
・製品チームに対し、戦略・ポジショニングなどに必要な情報を提供する。
・社内ステークホルダーへの学術的サポートを行う。
・緊急安全性情報の発信が必要な際、メディカルの観点から適切な情報提供を行う
・CMAP(メディカルプラン・戦略)作成に向けた情報収集
これらがMSLとしての仕事のようです。
ごく一般的なMSLの仕事内容かと思います。
他の会社のMSLと大きな差はないと思います。
最後に
MAとMSLの違いはご理解いただけましたでしょうか。
MSLのキャリアプランに、 MAという選択肢も入れてみると面白いと思います。
ちなみに、MSDではオンコロジーのMSLを応募しているようです。
最後に、MSDの応募要件を見てみたいと思います。
MSDは、オンコロジーの場合は、薬剤師、Ph.D.、M.D.いずれかの資格を持ち、がん領域分野の専門性と経験を有することを必須にしています。
また、特徴なのが、製薬企業のメディカルアフェアーズまたは臨床開発での経験を有するか、マーケティングあるいは営業で5年以上の経験を有することで、経験年数を指定してきています。
ビジネスレベルの英語力として、 TOEIC730点以上を望ましい条件としています。
ということで、資格・学位にこだわりはありそうです。また経験年数も5年と比較的長い経験を要求していますね。
応募要件には書いていない本当に欲しい人材の要件が実際にあったりします。
最近、転職相談の方からご連絡をいただきましたが、MSDが今求めているバックグラウンドが明確にあるようです。
なので、エージェントに聞いてみて、どんな経歴の人材を求めているのかを調べてもらうことも重要だと思います。
ではでは、この辺で。