どうも、のぶです。
現在、MR、研究職の方、臨床経験のある薬剤師・大学講師の方など、
MSLへの転職を考えている方が増えていることと思います。
今回は、転職案件をもとに、MSLの職務内容を具体的に示していきたいと思います。
今募集が出ている転職案件はどんなものか?
仮想のケースで、分析してみたいと思います。
モデルケースとしては、以下はあり得る案件なのかなと思います。
ごく一般的なケースかと思います。
記載内容にそれぞれコメントを入れてみたいと思います。
部署 | メディカルアフェアーズ |
---|---|
職種 | MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン) |
業種 | 医薬品メーカー |
勤務地 | 東京都 |
仕事内容 | 具体的な業務は以下になります。 ・メディカル戦略(メディカルプラン)の立案 ・国内外の学会でのイベント、講演会の企画・実施 ・メディカル主催イベント(Advisory Board Meeting)企画実施 ・社外講師勉強会の実施 ・領域専門医等のリクエストに応じて、最新医学・科学情報を提供・議論 ・領域専門医等の意見、疑問、ニーズならびに共同研究などの機会を探索・収集し、社内関連部署と連携して解決策の探求 ・グローバル部門との折衝やコミュニケーション ・MR他社内 の医学的・科学的知識レベルを向上の為のサポート、Commercial部門との適切な情報共有 ・業界、社内ルール、コンプライアンスの遵守 |
労働条件 | 詳細は面談の時にお伝えします |
応募資格 | 【必須(MUST)】 ・薬学・理科系大学卒業以上の方 ・○年以上の製薬企業でのメディカルアフェアーズの経験のある方 ・○年以上の製薬企業でのマーケティング経験のある方 ・KOLマネジメントの経験のある方 ・ビジネスレベルの英語力のある方(TOEIC 730点以上) 【歓迎(WANT)】 ・英語論文執筆経験 ・修士卒・博士号取得者、薬剤師・医師資格保有者 ・○○○○領域の経験 3年以上 |
MSLの仕事内容の解説!
まずは仕事内容から解説をいれたいと思います。
あまりMRの方に馴染みのないものを取り上げます。
①メディカル戦略(メディカルプラン)の立案
メディカル戦略の立案はMSL自身が行うこともあれば、
メディカル戦略を担う部署の方が行うこともあるようです。
メディカル戦略とは、簡単にいうと、
年度ごとにどういったメディカル活動を実施していくのか、について立案することです。
各社呼び方はあるのかもしれませんが、
メディカルプランを作成して、それに基づいてMSLが活動していくようなかたちです。
MRの方に置き換えると、
マーケティング部が出してくる年間のマーケティング計画のことです。
社外の医師たちに、いつのタイミングでどういった企画を行うのか、
製品価値・売り上げの最大化をはかるために、
どういったプランをいつどのタイミングで行うかをプランニングすることです。
②メディカル主催イベント(Advisory Board Meeting)企画実施
アドバイザリーボードとは、その名の通りでして、
KOLなどから製品や研究に関してアドバイスをもらう会合になります。
通常は5〜10名以内のKOLに参加いただき、
1〜2時間程度の拘束時間で製品だったり、メディカル戦略、
研究などに関してアドバイスをいただきます。
通常は、こちらが用意した仮説や案に関して、
アドバイスをいただくことが多いです。
また、個別アドバイザリーボードということで、
ある特定のKOL1名を対象にアドバイザリーボードを行うこともあります。
③領域専門医等の意見、疑問、ニーズならびに共同研究などの機会を探索・収集し、社内関連部署と連携して解決策の探求
これもMSL特有かと思います。
臨床研究や非臨床研究において、
医師や研究者から企業とコラボレーションしたいという要望に対して、
共同研究の契約を結び、一緒にデータ創出を行っていきます。
共同研究したいという要望を受けた際に、社内の関連部署にかけあって、
共同研究を受け入れるのか・拒否するのかを話し合います。
外資系の場合は、Headquaterからの許可を取る必要があります。
④グローバル部門との折衝やコミュニケーション
外資系の場合は、協働してメディカルの戦略を立案したり、
製品に関して日本の状況を共有したり、
反対に海外の状況を教えていただき良いものは日本に取り入れたりします。
また、海外のMSLとの合同勉強会を通じて、製品に関して各国の状況、
学術情報の活用など議論をすることもあります。
⑤MR他社内 の医学的・科学的知識レベルを向上の為のサポート、Commercial部門との適切な情報共有
MSLが入手した情報はサイエンス面でも重要なものが多く、
他部門に影響を与えるような情報を入手するケースもあります。
例えば、開発に対しては現在行っている治験に関する情報であったり、
MRに対しては製品に対する反響であったり、です。
MRの方や開発には、共有しておく必要がある情報も多く、
知らないと問題になるケースが生じるため、情報共有はかなり重要です。
MR他社内のサイエンスレベル向上のサポートに関しては、
MRに対して教育をしている会社とそうでない会社と別れる印象です。
MSLが一番サイエンス面で優れているのか、
という問題もあるかと思いますが、
各社どういった方がMSLで、どういう機能分けがされているかにもよると思います。
その他:国内外の学会でのイベント、講演会の企画・実施、社外講師勉強会の実施、領域専門医等のリクエストに応じて、最新医学・科学情報を提供・議論
その他の事項に関しては、MRの方であれば想像できると思います。
ただ、これらの事項はMRの方でもできるので、
MSLとMRでどういった住み分けをして活動をするのかが、重要になります。
MSLの応募資格!必須条件について
では、次に応募資格です。
必須と書いてあるものは必須なのでしょう。
いずれかが欠けていても問題ないケースもあるようですが、
基本的には全て満たしていることが重要かと思います。
①薬学・理科系大学卒業以上の方
現在いるMSLは文系の方はほとんどいないので、この通りだと思います。
特に、修士卒以上の方の割合が増えている印象です。ただ学卒の方も一定数おります。
②○年以上の製薬企業でのメディカルアフェアーズの経験のある方、○年以上の製薬企業でのマーケティング経験のある方
これを条件にあげているところもありますね。
それぞれの職種の経験年数ですが、
ぴったり当てはまらなくてもだいたいでも良いケースがあるようです。
少なくても問題ないこともあります。
その代わり、短期間でも素晴らしい実績があることが重要だと思います。
この経験がない場合はどうなのか、です。
全くない場合は、他の要項と照らし合わせて、総合的な判断になるのではないかと思います。
私の経験上の話ですが、
以前、こういった募集要項で最終面接でMRの方とMSLの座席1席を競うことがありました。
つまり、MR経験でも、メディカルやマーケの経験を代用できるくらい
濃密な経験をされていれば、良いということが言えそうです。
③KOLマネジメントの経験のある方
MRの方で、大学病院や総合病院を担当していれば、
経験されている方も多いのではないでしょうか。
④ビジネスレベルの英語力のある方(TOEIC 730点以上)
ビジネスレベルの英語力ってどうやってはかるのでしょうね。
おそらくですが、グローバルとの会議があって、
聞き取れて発言できれば良いということと解釈はできます。
ただそのレベルは結構高いと思いますので、T
OEIC730点ではきかないのではないかと思います。
TOEICを基準においているところが多いので、
とりあえず点数だけとっておけば良いでしょう。
ただ、実際には、リスニングやスピーキング力が重要になるので、
聞ける話せるといったスキルは磨いておいた方が良いと思います。
話せる・書けるというスキルは、
リーディングやリスニングで基礎が出来上がった方の方が伸び代が大きく、
リーディングやリスニングをまずは鍛えるという意味でTOEIC RLは重要だと思います。
私もまだまだ勉強中ですが。
MSLの応募資格!歓迎要件について
歓迎要件は、その通り、あるに越したことはないという意味でしょう。
歓迎要件を満たせば合格確率は上がるとは思いますが、
歓迎要件を満たして必須要件を満たさないということでは、
合格率は上昇しないと思います。
あくまでも必須条件を満たしたうえで、
あれば良い経験や属性やスキルといったところでしょうか。
①英語論文執筆経験
この要件は、博士号取得者でないとなかなか当てはまらない方も
多いのではないかと思います。
もちろん修士卒でも論文化されている方もおります。
論文執筆の経験は、研究終了後に論文のPublication時に役立つものと思います。
②修士卒・博士号取得者、薬剤師・医師資格保有者
この要件は、必須条件に入ることがあります。
なので、企業の考え方によると思います。
なぜ、修士卒以上なのか、と申しますと、あくまでも推測ですが、
修士卒だと研究経験が多少あり、論理的思考力を鍛えられている、
英語論文に触れているので抵抗なく読めるなどがあるため、と思っています。
あと、単純に、対外的な見栄えという意味もあるかもしれません。
また、薬剤師資格・医師資格を要求するところもあります。
この資格も必須としている会社があります。
なぜ必要かと言うと、単純な見栄えの意味合いでしょうか。
③○○○○領域の経験 3年以上
特定の疾患で募集がかかった場合、もちろんその領域の経験があれば有利でしょう。
勉強する時間も手間も省けます。
さらにその領域のKOLとのつながりが維持したまま、
転職できたら有利だと思います。
最後に
仮想の転職案件をもとに、MSLの職務内容の解説をしてみました。
少しは職務内容についてイメージをつかめたでしょうか。
私見が多分に含まれておりますが、参考情報としてお役に立てれば嬉しいです。