どうも、こんにちは。のぶです。
今後訪れる、製薬業界における雇用環境の変化について記事にしてみます。
MRはじめMSL、臨床開発の雇用環境においても予測される変化を記事にします。
今まで注目されてこなかった、MSLや臨床開発における雇用変化についても予測してみましたので、ぜひお読みください!
まずは、タイトルにあるようにMRに関しての雇用環境についてです。
4月24日にリスファックスに出ていた厚労省の参与の方が発した、「MR数は今の規模は必要ない」、に関して感じたことを記事にしたいと思います。
ヘルスケア産業プラットフォームが、医薬品産業の雇用問題をテーマにパネルディスカッションを行ったときのものです。
MR不要論は、今日に始まったわけではないですが、厚労省の方まで言い出しているので、看過できないですね。
厚労省の方は、「MRは決して不要にはならないが、今までのような規模は必要ないだろう」という発言をされています。
これはその通りだとしか、言いようがないですね。
さらに、こう続けています。
「ずっと同じ企業にいればいいというわけではないという前提で考えるべき」とおっしゃっています。
そして、「自己研鑽でスキルを磨く必要がある」と続けています。
この発言がひっかかりますね。
デジタルやネットワークの進展により業界が変革するのはわかっているので、デジタルはじめ必要なスキルが何かを特定して、自己研鑽しなさいということでしょう。
ずっと同じ企業にいればいいというわけではないという前提で考えるべき、とは?
このまま受け止めるとすれば、業界自体が変わるし、昨今の早期退職にはじまりメタボ体質な会社だったのをスリム化する必要が出てきているのは目に見えている、ということでしょう。
必要なファンクションに必要最低限の人数で利益を最大化していくことを製薬企業は目指すようになるのでしょう。
でも普通に考えたら、MRの経験しかなければ、次もMRとして就職せざるを得ません。
だから、MRの経験だけではなく、別のスキルを身につけなさいということなのでしょう。
じゃあ、どんなスキルが必要になるのか?です。
MRとして生き残るために、MRの将来的なかたちを予測して、必要なスキルを想定するパターンが一つですかね。
例えば、組織の立ち上げ経験。今後ベンチャーや新しい組織が立ち上がるときに役立つ経験かと思います。
破壊的に業界や会社が変わる場合、組織として全くの新しいものが立ち上がる可能性があるので、ベンチャーでの経験は良いかもしれないと個人的には思っています。
メディカルアフェアーズも日本で立ち上がったときには、各社メディカルの組織を立ち上げた人物がいたわけで、そういった方が現在のメディカルアフェアーズの中心にいたりしますよね。
もう一つは全く別のスキルを習得することでしょう。
例えば、英語でしょう。
英語のレベルをビジネスレベルに仕上げておいて、日常会話でも相手との信頼関係を構築できるレベルにまで出来れば、会社は重宝すると思います。
まだまだ製薬会社の本社でも英語ができる人材は、多くはいませんので。
英語だけではないと思いますが、まったくの異分野の知識、統計だったりを身につけたらそれはまた活躍の範囲が広がると思います。
湘南アイパークの方は、研究者の雇用について言及していた!
湘南アイパークの方は、「一番大切なのは、人材が循環するエコシステム」という発言をされています。
米国のシリコンバレーを例に、ベンチャーで失敗しても良い失敗の仕方をしていれば、その経験をもとに次のベンチャーに就職できる、ということをおっしゃっております。
素晴らしい!
まさに、失敗する文化、失敗の経験を活かして次のチャレンジではより良いものをつくるという文化が日本には必要ですね。
ベンチャーが失敗して、研究者はクビということになるかもしれませんが、その企業で得られた英知は、成功した企業よりも大きいものがあると思います。
失敗したことによって、その失敗は二度と繰り返さないため、自分の中で経験値がたまり、次の成功により近づいたと考えるべきでしょう。
失敗こそがもっとも自分の中で印象に残っているし、次にこうしようと考えるきっかけになります。
むしろ失敗しない方がおかしいし、失敗した方が確実に成長できます。
そして多くのことが得られています。
こういう文化は、日本に絶対に必要ですね。
ところで、MSLは不要じゃないのか?
個人的に思うのは、MSLも今の数は本当に必要なのかということです。
特に、MSLの数は内資系が多いようです。何名とは正確にはわかりませんが、外資系に比べると多いと聞きます。
要は、他職種から異動してきているのでしょう。
それこそ研究の方だったり、学術だったりします。学卒の方も内資系は多いみたいです。
一方で外資は中途が多いし、メディカルアフェアーズ部門として、多くても全体で100人くらいの組織なはずです。
学位も高学歴、英語もできる、ハイスペックな方が多いのが外資系の特徴かと思います。
そう考えると、内資系ではMSLのスリム化も有り得ると思います。
また、MSLも本当に存在意義がある活動ができているのか甚だ疑問であり、一部にはMSL不要論を唱える方もいます。
やはり、MSLも適正な規模に縮小することは考えられます。
特に、4月から始まった情報提供ガイドラインの影響を受けて、各社手探りだと思いますが、
情報活動にかなり制限をかけているかと思います。
今のメディカルの組織は、明らかに人員が多すぎて、生産性が相当に悪いことになります。
メディカル主体でエビデンスを出せていますか?会社に貢献する業績をどれくらい出せていますか?ということを経営層からは問われているはずです。
回答が少ない状況だと生産性が悪いことになります。
ガイドラインの影響で、かなり制限をかけてしまい大した情報活動ができていないのですから、当然かもしれませんが。
ちなみに、サンバイオの記事でも書きましたが、サンバイオはMSLのみで情報提供活動を行っていくと公表されています。
単純に考えれば、外部の医師に対して情報活動するので、MSLもMRも重複する活動が発生すると考えられます。
となると、どちらかの職種だけで良いわけです。
サンバイオはMSLのみで、サイエンスに特化した合理的な方法をとったと考えています。
そもそも活動する対象医師数も多くないのかもしれませんが。
今後は、MSLくらいの規模感で重要な情報提供は行い、MRの役割はまた少し異なったものになるのかもしれません。
特に日本は、欧米の真似をするのが好きなので、欧米スタイルのMRになる可能性もありますよね。
臨床開発職の雇用環境も変わるかもしれない!?
今回は、製薬業界の雇用環境について記事にしてみましたが、臨床開発に触れられる雇用変化の話はあまり聞きませんよね?
ただ、今後は劇的に業界が変わります。
臨床開発にも影響を及ぼすような技術が生まれようとしています。
今後は、臨床研究も変わろうとしていて、臨床開発も雇用環境が変わる可能性があります。
では、臨床研究がどう変わるのかですが、
実は「サスメド」という医療ベンチャーがモニター訪問不要な臨床研究体制を提供するようなことが将来的にありそうです。
今、制度上では、治験のモニタリングに関して、基本的には医療機関を訪問することが必要なのですが、
他の方法により十分にモニタリングを実施できる場合というのを例外として認めています。
サスメドは、この例外に着目して、モニターが施設訪問せずとも、データの信頼を担保できるシステムが構築できたことを現在証明しようと試験をしているようです。
実際にこのシステムが承認されれば、臨床開発のモニター職も打撃を食らうことになります。
医療ビジネスは改善の余地が多く、非効率が多いと言われていますので、ベンチャーから狙われています。
そして、一気に劇的に変わる瞬間が来るので、常に環境動向には注意を向けておく必要がありそうです。
最後に
平成最後のブログは、製薬業界における雇用環境の変化を予測してみました。
確実に製薬会社は新陳代謝が必要で、雇用環境は激変すると思います。
会社員として、サラリーマンとして、一つの会社で一つの仕事を全うするのは本当にあり得ないことになりそうですね。
GWということもあり、色々な本を読んでいますが、今のままサラリーマンを続けるのはちょっとリスキーというか、個人で稼ぐ力を身につける必要がありそうです。
ただ、製薬会社の旨味が享受されるうちは、会社からの利益をもらいながら、別の生きる道を探ることが安心で、確実ですよね。
製薬会社で得られたスキルを他の仕事に転用できるように考えて仕事をしたいものです。
ではでは、この辺で。