どうも。こんにちは。のぶです。
これまで、転職・就職をメインとしたブログにしておりましたが、志向を変えて投資家向けに情報を配信していこうと思います。
なぜ、こう思ったのか。それはある方からのアドバイスでした。
バイオ・製薬業界はしばらくなくならない産業であり、世の中のひとはみんな病気が好きだということでした。
そして、バイオや製薬産業の投資家向け情報は各社が個別に発信しているのですが、その個別の情報をみて投資家の方は判断されているのかと思います。
しかし、第3者の視点で各社の情報を見た場合に、それぞれの会社の持つプロダクトの成功がどうなのかが判断されている情報がないことに気づきました。
ですので、これを各社の情報を見ていき、プロダクトや会社がどうなのかを見ていければ面白いと思った、ということです。
私は個人的には、各社の非財務情報に焦点を当てて、特に各社がもつプロダクトはどうなのか、会社の研究開発のスタイルはどうか、 マーケットはどうなのかなど、を見ていこうかと思っています。
それぞれを独自の視点で分析してみたいと思います。
ただ、今回は、個々の薬剤において、医薬品の開発が成功するのはどういった要因がかかわっているのかについて考察をしてみたいと思います。
次回以降、各社のIR情報をみていこうと思います。
投資判断は最終的には個人の判断のため、当方にて責任は負いかねますので、ご了承ください。
医薬品開発が成功するうえで重要な因子は何か?
完全に個人的な見解ですが、これは、上記にあげた3つの点に集約されると思っています。
- プロダクトのもつポテンシャル・特性
- 臨床試験のデザイン
- 製品プロジェクトマネジメント
この3つがきちんとできていれば成功する確率は上がるかと思います。
ただし、3つ条件がそろっても失敗することはあると思います。
これ以外に、製品がローンチされた場合、マーケットが十分にあるのか、という点も重要です。
当然のことながらマーケットは売り上げにかかわることですので。
要は今の時代であれば、オンコロジー領域がホットですが、もう少しすれば飽和状態になってくる可能性もあります。
オンコロジー領域も以前のプライマリー領域のような状態に近づいてきているのではないかと思います。
マーケットニーズも徐々に変化しているような気もしています。
公開情報の範囲内で、医薬品開発の成功を予測できるのか?
正直、このお題に関してはけっこう難しいものがあると思います。
ただし、公開情報を組み合わせることによって、予測はできる可能性があると思います。
調べる量が半端ないので、ものすごく時間がかかると思いますが・・・
ですので、もし個別に、個々の会社の試験やプロダクトの調査は個別相談にて、実施をさせていただければと思います。
試験デザインが最もキーポイントになっているのではないか?
例えば、最近のオンコロジー領域の臨床試験では、フェーズ2試験まではうまくいっていたのに、
規模を拡大したフェーズ3で失敗する製品をけっこう多く見かけるようになりました。
これは、なぜなのか?
一つは試験デザインにけっこう無理があるケースです。
フェーズ3試験は、基本的には標準治療群と、試験群(治験薬群)にて比較をすることが倫理的にも、科学的にも重要です。
フェーズ3試験の場合、すでに確立された強固な標準治療があった場合、それを超える治療方法でないとなりません。
例えば、抗がん剤の場合、2剤、3剤といった薬剤を組み合わせることも多いのですが、
標準治療群で2剤併用療法、試験群で1剤の新薬との比較試験では、当然、薬剤数の多い標準治療の方が効果が高かったりします。
ただし、もちろん試験の組み方によっては、フェーズ3試験で標準治療は2剤併用療法、試験群でも2剤もしくは3剤併用にすれば勝てる可能性はあります。
ただ薬剤を併用するということは有害事象も増えるわけです。
この有効性と安全性の塩梅をみて、絶妙に組まれた臨床試験は成功する可能性は高いと思います。
また、それだけではありません。
患者さんを臨床試験に登録する際に、こういう患者なら参加してもOKですよ、こういう患者さんの参加はNGといったかたちで、試験参加に制限を設けています。
つまり、臨床試験にはだれでも参加できるわけではないということです。
このように、患者さんの参加基準をinclusion criteria(組み入れ基準)、exclusion criteria(除外基準)といったかたちで、試験計画を立てる段階で設定をいたします。
この参加できる基準の設定の仕方によって、試験結果に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これは、科学的に証明をされていないのでわからないのですが、私は確実に試験結果に影響を及ぼしていると思っています。
というのも、ある臨床試験で作用機序の似たような、いわゆる同種同効薬と言われるプロダクトが2つあり、
その2つのプロダクトともに同じ試験デザインで臨床試験を組んだものがありました。
もちろん2つのプロダクトの作用機序はまったく同じではないので、プロダクト自体は異なるのですが、同じ薬効分類に入るものでした。
試験デザインを、ある標準治療薬Xを対照にして、それぞれのプロダクトとの比較試験を行いました。
仮にその新薬をそれぞれプロダクトAとプロダクトBとします。
その結果、プロダクトAは、標準治療薬に勝てたのに、プロダクトBは勝てなかったという現象が起こりました。
この理由は、おそらく、試験の組み入れ基準にあったのではないかと私は考察しています。
もちろん新薬AとBは似て非なるものですので、完全にプロダクトの特性が一致するわけではないので、多少製品にも違いがあった可能性は捨てきれませんが。
プロダクトの特性・ポテンシャルの評価はできるのか?
これは、臨床試験のフェーズ1もしくはフェーズ2の試験結果を参考にすることになると思います。
ただし、フェーズ1もしくは2の試験結果が良くても、フェーズ3で良い結果が出るとは限らないので、注意が必要です。
どういうものがうまくいくのか、うまくいかないのか分からないのですが、ここは直観と経験から判断する感じかと思います。
ただ、やはりすでにポテンシャルが確かめられている薬剤でも予想以上にうまくいかないこともあって、難しいところではあります。
そうなると、やはり試験デザインに依存することになるのではなかろうかと思います。
ですので、フェーズ3試験の薬剤は、特に試験デザインを重要視する必要があるかと思います。
製品のプロジェクトマネジメントはどう評価するか?
これは正直難しいです。社内の人間にかかっていると思います。
私の経験上、プロジェクトマネジメントがうまくいかずポシャった薬というのは知らないのですが、よっぽどの素人の方がやらない限りはうまくいくのではないかと思います。
ですので、この基準は解析の対象から外して、マーケットを読んでいく方がよいのではないかと思っています。
最後に
ということで、このブログの趣旨を変えていこうと思います。
まずは、国内に進出してきたベンチャーに近い会社さんの情報から探っていこうかと思います。
では、今回はこの辺で。
投資判断は最終的には個人の判断のため、当方にて責任は負いかねますので、ご了承ください。