MSLに向いていない人の特徴|職人気質が強すぎると転職と社内で損をする理由【現役MA解説】

MSLに向いていない人の特徴 MA・MSLの仕事

MSLに向いていない人の特徴は、能力の不足よりも、職人気質が強すぎることから来る3つの思い込みにあると私は考えています。「成果は自分が出したもの」「先生とのネットワークは自分のもの」「自分の考えが正解」。この3つが強い人は、転職の面接でも、入社後の社内の仕事でも損をしやすくなります。

この記事を書いている私(のぶ)は、製薬会社でMR、MSL、メディカルアフェアーズ(MA)を経験し、採用面接をする側にも座ってきました。MSLに向いている人・向いていない人の違いを、現場の感覚からまとめます。

まず、優秀なMSLの特徴

向いていない人の話の前に、私が考える優秀なMSLの特徴を挙げます。

  • 自分で課題とゴールを設定して動ける(MSLは確立された仕事ではないので、指示を待っていても仕事は生まれない)
  • 仮説を立てて先生に提案し、研究の議論を盛り上げられる
  • 英語でグローバルとやり取りできる
  • 社内の他部署とうまく連携できる

最後の「社内連携」は、読者の方から「MRともうまく協業できる人」というアドバイスをもらったこともあり、私も大事だと思っています。MSLは一人で完結する仕事に見えて、実はMA、MR、開発、マーケティングなど多くの部署とつながって成果が出る仕事です。

MSLに向いていない人の3つの思い込み

1.「成果は自分が出したもの」

MSLの活動は、MA部門が作成したメディカルプランに沿って行うのが基本です(日本製薬工業協会「メディカル・サイエンス・リエゾンの活動に関する基本的考え方」)。先生との議論から得たインサイトも、社内の誰かが拾い、研究や資材や次の計画につながって初めて成果になります。

面接で「私がやりました」「私がいなければ進みませんでした」と話すと、面接官は「この人はチームでどう動くのか」を気にします。聞かれているのは自分のすごさではなく、周りとどう動いたかです。

2.「先生とのネットワークは自分のもの」

経験を積んだMSLほど陥りやすい思い込みです。長い時間をかけて信頼を築いたのは事実です。ただ、先生が時間を割いてくれた理由は、あなた個人だけではありません。会社が持つデータや研究の話、MSLという役割があって面談が成り立っていた面も大きいはずです。

そもそもMSLが交流する社外の専門家は、MA部門が独立した基準を設けて選ぶものとされています。会社が変われば領域も話せる内容も変わり、同じ関係が続くとは限りません。面接官が知りたいのはパイプの太さではなく、新しい領域でゼロから関係を作れる再現性です。

3.「自分の考えが正解」

専門性が高い人ほど、自分の見立てに自信があります。ただ、医学の知見は更新され続けますし、MAとしての方針は組織で決めるものです。自分の正解にこだわると、プランに沿わない動きになり、社内で浮いてしまいます。

面接では「意見が対立したとき、どうしましたか」で見られます。相手を説得しきった話より、違う意見を取り込んで結論を変えた話の方が、評価は高くなりやすいと感じます。

「調整が苦手」でもMSLはできるのか

正直に書くと、私自身は部署間の調整が好きではありません。面倒ですし、いろいろ言ってくる人もいて、今でも慣れません。それでもMSLの仕事はできました。大事なのは調整が得意かどうかより、必要な調整から逃げないことだと思っています。

同じように、コミュニケーションが得意でなくても、事前の準備でカバーできます。私もそうしてきました。

自分が当てはまるかのチェックリスト

  • 成果を話すとき、主語が「私」ばかりになる
  • 「〇〇先生とのパイプ」を自分の資産だと思っている
  • 社内の方針に「分かっていない」と感じることが多い
  • 最近、自分の意見を変えた場面をすぐに思い出せない
  • 他部署やMRから相談を持ちかけられることが少ない

2つ以上当てはまる場合は、転職活動の前に一度見直しておくと、面接での伝わり方が変わります。

職人気質を強みに変える方法

職人気質そのものは、MSLに欠かせない資質です。捨てる必要はありません。見せ方を変えましょう。

  • 成果は「チームの中での自分の役割」で語る
  • 先生との関係は「誰と親しいか」ではなく「どう信頼を得たか」で語る
  • 自分と違う意見を取り込んで結論を修正した経験を、一つ用意しておく
  • 論文をどう解釈し、どんな仮説を立てて面談したかを具体的に話せるようにする

最後の点は「サイエンスバックグラウンド」とも関係します。経歴や学位だけでなく、先生から「君はどう思う?」と意見を求められるようになれば、MSLとしてのサイエンスのレベルが上がった証拠だと私は考えています。

よくある質問

MSLに向いている人はどんな人ですか?

自分で課題とゴールを決めて動ける人、仮説を立てて先生と議論できる人、社内外の人と連携できる人です。性格よりも、仕事の進め方の習慣が大きいと思います。

職人気質の人はMSLになれませんか?

なれます。専門性を突き詰める姿勢はMSLの強みです。成果の語り方と、組織の方針との向き合い方を意識すれば、職人気質はそのまま武器になります。

MSLとMRの向き不向きの違いは?

MRは自社製品の適正使用と販売の成果で評価されます。MSLは販売促進を目的とせず、売上に関連しない指標で評価されます。数字で成果を示したい人はMR、科学的な議論や研究への関わりにやりがいを感じる人はMSLが向いている傾向があります。

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執筆:のぶ。MR・MSL・MAとしての経験をもとにした見解です。向き不向きの判断は、会社や役割によって異なります。

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