【2026年版】MAとMSLの違いは何か?現役MAが仕事内容・年収・転職ルートを解説

MA・MSLの仕事

どうも、こんにちは。のぶです。

この記事はもともと2021年に書いたものですが、この5年で製薬業界の景色がずいぶん変わりました。そこで2026年版として、データもキャリアの話も含めて全面的に書き直しています。

まず前提から。MR(医薬情報担当者)の数は減り続けています。MR認定センターの調査によると、2025年3月末時点のMR数は43,646人。1年で3,073人減り、減少率6.6%は過去最大でした(AnswersNews)。これで10年連続の減少です。

その一方で、メディカルアフェアーズ(MA)やMSLといったメディカル部門の存在感は年々増しています。「MRからMSLに行きたい」という相談も、私の周りで本当に増えました。ただ、MAとMSLの違いをきちんと説明できる人は、業界の中でも意外と少ないです。

今回は現役でMAの仕事をしている立場から、この2つの違いを整理します。

結論:MAは「戦略」、MSLは「現場」

先に結論を言うと、社内でメディカル戦略(メディカルプラン)を作り、その実行を回していくのがMA。フィールドに出て、KOL(キーオピニオンリーダー)の先生方と科学的な議論をするのがMSLです。

営業系の組織に例えて、「MRに相当するのがMSLで、マーケティングに相当するのがMA」と説明されることがあります。少し乱暴な例えですが、最初のイメージとしては悪くないと思います。

なお、大きな会社ではメディカルアフェアーズ部門の中で機能がさらに細かく分かれていて、ポジションが複数あるケースがほとんどです。この記事では大きく「戦略側のMA」と「フィールドのMSL」の2つに分けて話を進めます。

MA(戦略側)MSL
主戦場社内(本社)フィールド(医療機関・学会)
ミッションメディカルプランの策定と実行管理KOLとの科学的意見交換、インサイト収集
主な相手社内の関連部門、グローバルKOLの先生方
働き方内勤中心出張が多い

MAの仕事内容

MAの仕事の中心は、年間のメディカルプランを作って回すことです。具体的にはこのあたりが柱になります。

  • メディカルプラン(年間戦略)の策定
  • 臨床研究のマネジメント
  • パブリケーション(論文化)関連の業務
  • アドバイザリーボードミーティングの企画・実施

メディカルプランには、だいたい次のような内容を盛り込みます。メディカルアフェアーズとしての目標・目指す姿、現状分析と環境分析、課題とそれに対する対策・アクション、医師とのコミュニケーション活動の詳細、そしてデータギャップに基づく臨床研究の計画です。

私の経験上、一番難しいのは現状分析です。疾患と自社製品・競合品の知識はもちろん、「今この領域で何がエビデンスとして足りていないのか」を見立てる力が要ります。ここの解像度が低いと、その後のアクションが全部ぼやけます。会社によってはコンサルティング会社を入れて環境分析をすることもありますが、丸投げするとプランに魂が入らないので、私はあまりおすすめしません。

アドバイザリーボードについては、別の記事で詳しく書いています。→ 【MSL仕事シリーズ】アドバイザリーボードって何?

MSLの仕事内容

MSLの仕事の中心は、KOLの先生方との科学的な意見交換です。面談で最新のエビデンスについて議論し、先生方の問題意識(インサイト)を社内に持ち帰って、メディカルプランや臨床研究の計画に反映させます。学会への参加や、講演会の演者の先生への対応もMSLの守備範囲です。

プロモーション(販売促進)から独立した立場で先生方と話せるのがMSLの面白さですが、その分、科学的な議論で信頼を勝ち取る必要があります。正直、楽な仕事ではありません。出張も多いです。このあたりの実際は、MSLのつらさについて書いた記事も読んでみてください。

年収はどう違うか(2025〜2026年の相場観)

転職エージェントのJACの調査では、2025年のMSLの平均年収は約963万円とされています(JAC Recruitment)。戦略側のMAは、マネージャークラス以上になると1,000万円台も珍しくない、というのが私の肌感覚です。ただしここは内資か外資か、会社の規模、担当領域でかなり差が出ます。

MRからMSLへ移る場合、年収は「維持〜やや上がる」ケースが多い印象です。ただし、MR時代の手当(日当や住宅補助)が厚い会社から移ると、額面は上がっても手取り感が変わらない、ということもあります。オファー面談では基本給と手当の内訳まで確認したほうがいいです。

未経験からどう目指すか

メディカル部門への入り口は、大きく3つのルートがあります。

  1. MR → MSL:一番人数が多い王道ルート。担当領域の疾患知識と医師とのコミュニケーション経験が武器になります
  2. 薬剤師・アカデミア(博士) → MSL:研究経験や論文を読む力が評価されます。オンコロジーや希少疾患など専門性の高い領域で特に需要があります
  3. MSL → 戦略側のMA:フィールドで積んだKOLとのネットワークとインサイトを、戦略立案に活かすキャリアパスです

いきなり戦略側のMAに未経験で入るのはかなり難しいので、現実的にはまずMSL、その先にMA、と考えるのがよいと思います。どの会社のMSLを目指すかについては、おすすめの会社について書いた記事を参考にしてください。

まとめ

MAは社内で戦略を作る仕事、MSLはフィールドで先生方と科学の話をする仕事。MRの減少はこの先も続く見通しなので、メディカル部門への転身を考える人はさらに増えるはずです。未経験ならまずMSLから。そこで力をつけて戦略側に回る、というのが私のおすすめのキャリアの組み立て方です。

キャリアについて聞いてみたいことがあれば、お問い合わせからどうぞ。

(最終更新:2026年8月23日/初版:2021年5月5日)


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