どうも、こんにちは。のぶです。
もともと読者の方からの「アドバイザリーボードって何のために、何をするものなの?」という質問がきっかけで書いた記事です。今でもこのサイトで一番読まれている記事のひとつなので、2026年版として内容を全面的に更新しました。
「アドバイザリーボードをやります」とMRの方に言うと、「何それ?」と返ってくることがよくあります。それもそのはずで、MRがアドバイザリーボードを実施することは基本的にありません。実施するのは本社のメディカルアフェアーズ(MA)やマーケティング部門です。
アドバイザリーボードとは?
一言で言うと、製薬企業が複数の専門家(医師)を集めて、医学的な専門意見を収集する会議体です。業界では「アドボ」と略して呼ばれます。講演会や勉強会とはまったく別物で、企業が先生方に「教えてもらう」場です。
「個別面談で聞けばいいのでは?」と思うかもしれませんが、個人の見解にはどうしても偏りが出ます。複数の専門家が同じテーブルでディスカッションすると、意見がぶつかったり補強し合ったりするシナジーがあって、そこにアドボの価値があります。なお、どうしても個別に意見を聞きたい重鎮の先生には「個別アドバイザリーボード」という形式もあります。普段の面談との違いは、契約を交わした上で謝礼をお支払いして実施する点です。
アドボでは何を話しているのか
代表的なテーマは、ある疾患領域のアンメットニーズの特定です。たとえば「高齢者では標準治療が確立していない」という状況に対して、どんな治療選択肢がありうるか、自社・他社製品をどう組み合わせるか、用量は、対象は何歳からか、どんな疾患背景か。こうした観点で先生方から意見をもらい、満たされていないニーズを特定していきます。
ここで特定したエビデンスギャップが、臨床研究の計画やメディカルプランに反映されます。最近はリアルワールドデータ(RWD)を使った研究の設計に対して先生方の意見をもらうケースも増えました。つまりアドボは、MAの戦略業務の起点になる情報収集の場です。メディカルプランとの関係はMAとMSLの違いの記事で解説しています。
実施の流れ(企画する側の視点)
- テーマ設定:何を明らかにしたいのかを1〜3個の問いに絞る(ここが一番大事)
- 専門家の選定と契約:テーマに合う先生方に依頼し、契約と謝礼の手続きをする
- 事前資料の準備:論点を整理した資料を送り、当日は議論に集中してもらう
- 当日のファシリテーション:全員から意見を引き出す。1人の大御所に流れを持っていかれないようにするのが腕の見せどころ
- 議事録と反映:得られた示唆をメディカルプランや研究計画に落とし込む
コンプライアンス上の注意
アドボは謝礼を伴う業務委託なので、契約に基づいて実施され、支払いは製薬協の透明性ガイドラインに沿って公開されます。また「意見収集」の名目で実質的なプロモーションをするのはNGです。このあたりの線引きが緩い会社は危ないので、転職先を見る目安にもなります。
転職面接でアドボ経験はこう語る
MA/MSLの面接では、アドボの企画・運営経験は強いアピール材料になります。ポイントは「開催した」ではなく「何の問いを立て、何が分かり、それがプランのどこに反映されたか」まで話すことです。逆にMR出身でアドボ経験がない方は、この記事のレベルで仕組みを説明できるだけでも、メディカル業務への理解度を示せます。面接対策はMRからMSLへの転職方法も参考にしてください。
質問があればお問い合わせからどうぞ。
(最終更新:2026年8月23日/初版:2019年5月16日)
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